mister_kei0918

お願い逝かないで！！

今日も一人の尊敬する先輩が他界されました。

もう知り合ってから30年は過ぎているでしょうか。

後半の20年近くは時々お会いする程度で際立ったお付き合いはありませんでしたが、
競争の激しいソフト業界に青春をかけていましたので思いや感慨は一入でした。

ある国家資格も持っておられましたので、
私が理事長をしているマンションの管理や財産の保全等についてもお知恵を戴こうかと気になっていた矢先の事でした。

人間の寿命なんて儚い、いつ尽きるとも分からないものであり、
幾たびもそんな場面に出くわしてはいるものの、
やはり寂しく切なく、やりきれないものがあります。

とりわけ、ご家族の方々にとっては身を裂かれるような、
苦しい悲しみの淵に落とされた様なものではないでしょうか。

葬儀が滞りなく、
終了し全ての参列者が花を手向けながら最後のお別れを済ませた時でした。

奥様が両の手で頬をさすっておられましたが「お願い逝かないで～」の声が嗚咽と共に聞こえてきました。
憔悴しきった表情がそれをより増幅させ、
周りの私どもも目頭を熱くする場面になってしまいました。

別れの種類や数は星の数ほどある中で生きるものと死にゆくものとの別れほど狂おしいものはありません。

「お願い逝かないで～」の声は帰り来る事が有り得ないだけに、
私どもの胸により強い響きとなってこだましてしまいました。

安らかに、心静かに、ご家族の幸せとご加護をお与え下さい。


『あなたが空しく生きた今日は、昨日死んでいった者が、
あれほど生きたいと願った明日。　　　趙昌仁(カシコギ)』